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正直に言うと、私自身、警備員として働き始めてから「資格を取ったら手当は増えるのか」というのはずっと気になっていました。夜勤や拘束時間のわりに、給料がそこまで伸びていく実感がない。だったら資格でどうにかならないか、と考えるのは自然な流れだと思います。
ただ、いざ調べてみると、警備業界の資格は種類が多く、「取れば給料が上がる資格」と「取っても直接は収入に結びつきにくい資格」が混在しています。さらに、警備員としてのキャリアを深める資格と、ビルメンなど別職種への転職を見据えた資格とでは、そもそも性質がまったく違います。
この記事では、警備員が目指せる資格を「警備業界内でのキャリアに関わる資格」と「転職先の選択肢を広げる資格」に分けて整理します。資格手当を狙いたい人、将来的な転職を見据えて資格を取っておきたい人は、自分に合う資格を選ぶ材料にしてください。
警備員が資格を取るメリットとは
警備員が資格を取るメリットは、大きく分けると3つあります。
- 資格手当がつく可能性がある
- 配置できる現場や任される業務が広がる
- 転職時にアピール材料になる
ただし、個人的な感覚を正直に言うと、「資格を取れば一気に給料が上がる」というほど単純ではないと感じています。会社によって手当の有無や金額はバラバラですし、資格を取っても現場が変わらなければ実感しにくいこともあります。
資格そのものに価値がないわけではありませんが、「収入アップの魔法」ではなく、「選択肢を広げる投資」くらいに捉えておく方が現実的だと思います。
警備員としてのキャリアに関わる資格
まずは、警備の仕事そのものに直結する資格です。これらは、今の会社で資格手当がつくかどうかを必ず確認したうえで検討することをおすすめします。
| 資格名 | 関わる業務 |
|---|---|
| 施設警備業務検定 | 施設警備・常駐警備 |
| 交通誘導警備業務検定 | 交通誘導警備 |
| 雑踏警備業務検定 | イベント・雑踏警備 |
| 空港保安警備業務検定 | 空港保安警備 |
| 貴重品運搬警備業務検定 | 貴重品運搬警備 |
| 核燃料物質等危険物運搬警備業務検定 | 危険物運搬警備 |
| 警備員指導教育責任者 | 教育・現場管理(実務経験が必要) |
施設警備業務検定
施設警備・常駐警備を担当しているなら、まず候補になる検定です。1級・2級があり、出入管理や巡回、防災対応などの知識・技能が問われます。
個人的には、今担当している業務と直結する資格から手をつけるのが一番効率がいいと思っています。関係の薄い資格を先に取っても、会社側の評価にはつながりにくいからです。
交通誘導警備業務検定
交通誘導や雑踏警備を担当する人向けの検定です。道路工事やイベント会場での誘導業務に関わる知識が問われます。現場によっては、この資格を持つ人の配置が必須になっているケースもあり、資格者としての需要は安定していると感じます。
雑踏警備業務検定・空港保安警備業務検定・貴重品運搬警備業務検定など
これらは、担当している業務が限定される分、対象者もある程度絞られる資格です。今の現場や今後希望する配置に関係がなければ、優先度は下げてよいと思います。「せっかくだから取っておこう」という考え方は、時間と費用を考えるとあまりおすすめしません。
警備員指導教育責任者
後輩指導や現場管理、将来的に会社側の管理業務にも関わりたい人向けの資格です。ただし、誰でもすぐ取れる資格ではなく、実務経験などの条件があります。申請方法や条件は、都道府県警察や公安委員会の案内で確認する必要があります。
長く警備業界でキャリアを積みたいなら視野に入れる価値がありますが、数年で警備を離れるつもりなら優先度は高くありません。
警備業務検定を含めた収入アップ全体の考え方については、警備員が年収を上げる方法|資格・役職・同業他社で収入アップでも整理しています。
転職先の選択肢を広げる資格(ビルメン系)
ここからは、警備の仕事そのものというより、警備経験を活かして別職種(特にビルメン・設備管理)へ転職する際に評価されやすい資格です。私自身、収入面の不安から資格を調べていたとき、正直「警備業界の中だけで考えるより、こっちの方が伸びしろがあるのでは」と感じた記憶があります。
| 資格名 | 関わる分野 |
|---|---|
| 第二種電気工事士 | 電気設備 |
| 危険物取扱者乙種第4類 | 危険物(ガソリン・灯油等) |
| 二級ボイラー技士 | ボイラー設備 |
| 第三種冷凍機械責任者 | 冷凍・空調設備 |
| 消防設備士 | 消防・防災設備 |
これらは「ビルメン4点セット」と呼ばれることがある第二種電気工事士・危険物乙4・二級ボイラー技士・第三種冷凍機械責任者を中心に、ビルメン・設備管理業界で評価されやすい資格群です。正式な制度名ではありませんが、未経験からビルメンを目指す人がよく検討する組み合わせです。
なお、消防設備士は4点セットには含まれないものの、消防用設備が設置されていない現場はほとんど無いため、実務では4点セットと同等、あるいはそれ以上に評価されるという声もあります。
第二種電気工事士・危険物乙4・消防設備士・2級ボイラー・冷凍など、ビルメン4点セットに必要な資格をeラーニングで対策できます。合格に必要な知識だけに絞ったテキストと動画講座で、働きながらでも進めやすいのが特徴です。
SATの資格講座を見る →第二種電気工事士
建物の電気設備に関わる資格で、ビルメン求人でも評価されやすい代表格です。未経験からビルメンを目指す人が最初に検討することが多い資格でもあります。実技試験もあるため、独学だけでは不安を感じる人もいるかもしれません。
取得方法や試験日程、独学の勉強時間や費用の詳細は、電気工事士2種は未経験でも取れる?警備員の資格取得ガイドで詳しく整理しています。
危険物取扱者乙種第4類
ガソリンや灯油などの危険物を扱う資格です。設備管理の現場だけでなく、幅広い業種で求められることがあります。比較的取得しやすい資格として知られており、初めての資格取得としても候補になります。
合格率・勉強時間・費用の目安、電気工事士2種との比較は、危険物取扱者乙4は未経験でも取れる?警備員の資格取得ガイドで解説しています。
二級ボイラー技士・第三種冷凍機械責任者
ビルの空調・熱源設備に関わる資格です。現場によっては必須の配置資格になっていることもあります。電気工事士や危険物乙4と組み合わせて取得を目指す人が多い印象です。
二級ボイラー技士は、試験合格に加えて「ボイラー実技講習」の修了が免許交付の条件になっている点が特殊です。実技講習の内容や費用、他の資格との違いは二級ボイラー技士は未経験でも取れる?警備員の資格取得ガイドで整理しています。
消防設備士
消防用設備の点検・整備に関わる資格です。防災センター業務の経験がある人は、比較的イメージを持ちやすいかもしれません。警備員から目指す場合、まず候補になりやすいのは消火器の整備・点検を担当する乙種6類(乙6)です。
受験資格や勉強時間、電気工事士2種を持っていると使える科目免除については、消防設備士乙6は未経験でも取れる?警備員の資格取得ガイドで詳しく解説しています。
ビルメン・設備管理への転職そのものについては、警備員からビルメン・設備管理へ転職できる?向き不向きと資格・求人の見方で詳しく整理しています。
未経験からビルメンを目指す取得順
資格を取る順番に絶対の正解はありませんが、未経験から現場に入りたい人は、次のように考えるとわかりやすいです。
- 第二種電気工事士で設備系の基礎を作る
- 危険物乙4で設備管理・危険物関連の求人に備える
- 二級ボイラー技士や冷凍機械責任者を現場に応じて検討する
- 経験を積んでから建築物環境衛生管理技術者や電験三種を目指す
ただし、資格だけ取れば安心というわけではありません。ビルメンでは資格に加えて現場経験も重視されます。
個人的には、資格の勉強を進めながら、並行して実際の求人も見ておくのがおすすめです。「この資格を持っていれば応募できる求人がどれくらいあるのか」を早めに知っておくと、勉強のモチベーションにもつながります。
ビルメン・設備管理・電気系の求人を専門に扱うサービスです。一般の転職サイトには出にくい専門求人や、未経験から始められる設備求人も相談できます。まずはどんな求人があるか見てみましょう。
電気・設備の求人を見る →資格を取る前に確認すべきこと
資格取得には時間もお金もかかります。私自身、興味本位で調べ始めて「これは思ったよりコストがかかるな」と感じた資格もありました。取る前に、次の点は必ず確認しておいた方がいいです。
- 今の会社にその資格の手当制度があるか
- 月いくら支給されるか、1級・2級で差があるか
- 受験費用や講習費を会社が負担してくれるか
- 資格取得後に配置や役割がどう変わるか
- 転職を見据えるなら、目指す業界で本当に評価される資格か
「なんとなく良さそうだから」で選ぶと、時間をかけたわりに評価につながらないことがあります。今の仕事に活かすのか、将来の転職に備えるのかを先に決めてから、資格を選ぶ方が遠回りになりません。
警備員の給料全体の仕組みについては、警備員の給料は安い?平均年収の目安と収入を上げる方法でも整理しています。
資格を取らなくても転職はできる
ここまで資格の話をしてきましたが、資格がなければ転職できないわけではありません。警備員から転職しやすい仕事の中には、未経験・無資格から応募できる求人も多くあります。
巡回、確認、報告、夜勤経験といった警備員としての経験そのものが、資格の有無にかかわらず評価される場面は多いです。資格取得に時間をかけたくない、今すぐ動きたいという人は、資格なしで応募できる求人から見比べてみるのも現実的な選択です。
転職先の全体像は、警備員から転職しやすい仕事7選|経験を活かせる転職先と失敗しない選び方で整理しています。
資格取得の勉強法
資格を取ると決めたら、勉強法もいくつか選択肢があります。
- 独学(テキスト・過去問中心)
- eラーニング(動画講座+テキスト)
- 通信講座
- スクール・通学講座
働きながら資格を取るなら、通学よりも独学やeラーニングの方が現実的なことが多いです。個人的には、仕事の合間や夜勤明けのわずかな時間でも進められる形式かどうかを重視した方がいいと思っています。せっかく良い教材でも、生活リズムに合わなければ続きません。
よくある質問
警備員が資格を取れば必ず給料は上がりますか?
必ずではありません。会社に資格手当があるか、対象資格か、月いくら支給されるかによって変わります。資格を取る前に、今の会社や求人票で手当の有無を確認しましょう。
警備業務検定とビルメン系資格、どちらを優先すべきですか?
警備の仕事を続けたいなら、今担当している業務に関係する警備業務検定から検討するのが現実的です。将来的に別職種への転職も視野に入れるなら、第二種電気工事士や危険物乙4などビルメン系資格の方が選択肢を広げやすい場合があります。
未経験からでも第二種電気工事士は取れますか?
取得できます。ただし実技試験があるため、独学だけで不安な場合はeラーニングや講座を活用する人もいます。学科・実技の両方の対策が必要な点は事前に理解しておきましょう。
資格取得の費用は自己負担ですか?
会社によります。受験費用や講習費を補助してくれる会社もあれば、全額自己負担の会社もあります。資格を取る前に、会社の制度を確認しておくことをおすすめします。
資格がなくても警備員から転職はできますか?
できます。未経験・無資格で応募できる求人も多くあります。警備員としての経験そのものが評価される場面も多いため、資格取得にこだわりすぎず、求人の中身も並行して見ておくとよいでしょう。
まとめ|資格は「収入アップの魔法」ではなく「選択肢を広げる投資」
警備員が目指せる資格は、大きく分けると、警備業務そのものに関わる資格(施設警備業務検定など)と、ビルメンなど別職種への転職を見据えた資格(第二種電気工事士、危険物乙4など)の2種類があります。前者は今の会社の手当制度を確認したうえで検討する、後者は将来の選択肢を広げる投資として考える。この違いを意識するだけで、資格選びの迷いはかなり減ると思います。
正直なところ、資格を取れば劇的に給料が変わるとは限りません。それでも、資格を持っていることで配置できる現場が増えたり、転職時の説得材料になったりすることは確かです。
今の会社に残るにしても、いずれ転職を考えるにしても、資格は「持っておいて損はない」選択肢のひとつだと感じています。まずは、自分の担当業務や将来の方向性に合う資格を1つ選ぶところから始めてみてください。

